奈良坂を歩く
奈良県庁東側の国道369号線をしばらく北上すると、京都府との県境に向う登り坂になります。
車で走るとちょうど今在家交差点辺りで右方向にカーブして登って行くので、今までこの道が「奈良坂」だと思っていましたが、実はこの車道と並行する狭い古道が昔の大和の国と山城の国を往来する奈良坂の旧京街道だったと知って、今回歩いてみることにしました。
右側が国道、奈良坂の旧京街道は左側の道を登って行きます。
奈良坂の旧京街道です。
ちょうど奈良坂の登り口あたりに立っている地蔵。
西を向いている姿から「夕日地蔵」と呼ばれています。
道から奥まったところに立っているので見過ごしそうになります。
向かいには浄福寺というお寺があります。
登り坂を進みます。
この辺りの町名は奈良阪町です。
しばらく行くと右手にコスモスで有名な般若寺の楼門が見えてきます。
般若寺の本堂です。
10月はコスモスの花の最盛期です。
この日は天気も良く、写真を撮る大勢の観光客がいました。
さらに進むと左手に奈良豆比古神社があります。
「翁舞」と樹齢1000年のくすのきの巨樹で有名な神社です。
この辺りに広がる丘陵は通称「平城山(ならやま)丘陵」と呼ばれますが、私が読んだ奈良の地名に関する本によれば、「奈良」の語源については日本書紀などの記述にもある「那羅(なら)」・「乃楽(なら)」などと共に、いずれも土地を「平(なら)す」・「均(なら)す」という意味から発しているとするのが通説らしいです。
ちなみに山城の国は、この大和の国の北側を走る山並みの後ろにあるから「山背(やましろ)の国」、すなわち「山城の国」となるのだそうです。
2020.10.29